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ジェラルド・ブロネール『認知アポカリプス―文明崩壊の社会学』※新本
¥4,400
人類はいま史上最長の自由時間を手にしている。労働など生命維持のために必要な時間は1800年の48%から11%に減った(フランスでの統計)。先人には夢のようなこの時間が向かう先は、スマートフォンなどの画面である。そこでは正統な学知とデマが対等となり、世界を単純化するストーリーや、注意を惹くためだけに設計された広告が人の認知を奪い合う。AIが人間の仕事を代行するようになれば、自由時間はさらに飛躍的に増えるだろう。しかしそれは意味のあるものを生むために使われるのではなく、認知の争奪戦が繰り広げられる市場でただ蕩尽されて終わる可能性が高い。 高度な文明の源泉は人間の脳である。気候変動などの危機を乗り越える可能性も、人間の脳からしか生まれてこない。この頭脳を働かせることのできる時間が最大化している現在、それを貪ることで利益を上げる経済モデルにわれわれは直面しているのである。この状況は、生存可能性を高めるものとしてヒトが具えてきた生物学的特徴が、テクノロジー社会とミスマッチを起こした結果でもある。 この規制なき認知市場を放置することの意味を、われわれは真剣に考えなければならないだろう。現下の問題は、フェイクや陰謀論や反知性主義などすでに指摘されてきた弊害よりずっと根深く複雑だ。人類史上かつてない課題に、認知科学と社会学からアプローチする異色の試論。
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周東 美材『「未熟さ」の系譜』※古本
¥770
SOLD OUT
Book Description Editorial Reviews ジャニーズ、宝塚、女性アイドル…… なぜ私たちは“未完成なスター\"を求めてきたのか? 「お茶の間の人気者」を通じて日本文化の核心を解き明かす、気鋭の社会学者による本格論考 卓越した歌唱力ではなく“若さや親しみやすさ\"で人気を得る「女性アイドル」、ジュニアからのデビューが一大イベントとして注目される「ジャニーズ」、入学試験の様子が毎年報じられ、未婚女性だけでレビューを上演する「宝塚歌劇団」……。 完成された技芸や官能的な魅力より、成長途上ゆえの可愛らしさやアマチュア性こそが心を打ち、応援され、愛好される、これら日本独特のエンターテインメントの鍵は「未熟さ」にあった。そしてそれは、近代家族と大衆メディアの結びつきが生んだ「お茶の間の願望」の帰結だった――。 明治以降に誕生した「子どもを中心とする近代家族」が「お茶の間」という独特な消費空間を生成し、「未熟さ」を愛でる文化を育んでいく過程を、丹念なメディア史研究によって鮮やかに描き出す。 ◉日本ではなぜ定期的に「童謡」や「天才子役」がヒットするのか? →大正時代のレコード業界が仕掛けた一大コンテンツだった! ◉宝塚はなぜ「未婚女性」だけの「歌劇団」なのか? →鉄道会社が“ファミリー層\"を郊外に誘致するための策だった! ◉日本の芸能プロダクションはなぜタレントを「養成」するのか? →戦後のテレビ業界草創期に生まれた特異なシステムだった! ◉ジャニーズのお家芸「バク転」とK-POPの決定的な違いとは? →"敗戦国"日本と"兵役あり"韓国の差から生まれていた! ◉日本のロックバンドはなぜ「王子さま」の衣装を着るのか? →ザ・タイガースの歌詞を童謡雑誌の作詞家が書いていた! ◉アイドルの成長を「推す」文化はどこから生まれてきたのか? →「スター誕生! 」企画者・阿久悠が新人に"未熟さ"を求めた! 状態:良
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伊谷 原一 × 三砂ちづる『ヒトはどこからきたのか──サバンナと森の類人猿から』※新本
¥1,980
〈七〇〇万年前、共通の祖先からヒトと類人猿は分かれた〉 ヒトと類人猿の差はなんなのか? そして、ヒトとはなにか。──霊長類学の本質と未来を語るサイエンス対談 ---------------------- 「ヒトはなぜ二足歩行をはじめたのか?」「ヒトはどこで誕生したのか?」 京都大学から始まった〈霊長類学〉は、ヒトと類人猿との違いを見ることでヒトの本質を明かそうとしてきた。 ---------------------- 今西錦司、伊谷純一郎、河合雅雄など、綺羅星のように現れた霊長類研究者たちの軌跡を、霊長類研究者であり、伊谷純一郎の息子である伊谷原一が語る。 話を聞き出していくのは、人間の出産をテーマとしてきた疫学者の三砂ちづる。 アフリカでのフィールドワークや日本でのチンパンジーの集団飼育……人類学としての霊長類学を大胆に俯瞰するサイエンス読み物。
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吉田傑俊/下崇道/尾関周二『 「共生」思想の探求―アジアの視点から』※バーゲンブック※新本
¥1,320
差異・多様性を認めつつ、対等・平等に生きるには。地球環境・資源の危機、そして「南北」間格差・民族間対立の激化のなかで、人間同士また人間と自然が、共に生きぬく思想・方途を探る。日中共同研究の成果。 定価:2600円+税
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細谷功『自己矛盾劇場 ―「知ってる・見えてる・正しいつもり」を考察する』※新本
¥1,980
知と社会構造の関係をシンプルに説いた『具体と抽象』『「無理」の構造』に続く第三弾。 「あの人は、人の〈批判〉ばかりしている」という〈批判〉、これが自己矛盾。 世の中に苛立ちと不毛な争いをもたらす大きな原因の一つがこの人間心理の負の側面であり、インターネットやSNSの発展によって表舞台にあふれるように出てきている。 「知性の限界」ともいうべき「自己矛盾」が生まれる心理の歪みと社会構造との関係を身近な事例を取り上げながら模式・可視化。 知の構造を見据えつつ、自分自身と対峙するための思考法を提示。 す メタ認知への扉を開く格好のテキスト。
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河出書房新社編集部『オウムと死刑』※バーゲンブック※新本
¥880
SOLD OUT
オウム13名死刑執行を機にオウムとは、死刑とは何かを問いかける。 森達也、伊東乾、宮内勝典、星野智幸、青木理、片山杜秀、など。 定価:1550円+税
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岡和田晃『アイヌ民族否定論に抗する』※新本※バーゲンブック
¥1,100
札幌市議の「アイヌ民族、いまはもういない」発言。ネット上にあふれ、街頭にも飛び出したアイヌへのヘイトスピーチ。これらに多様な論者が「NO」を突きつける初めての一冊。 定価1900+税
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ニキー・ウォーカー『「争い」入門』※新本
¥1,760
SOLD OUT
ひとは争わずにはいられないの? それは本能? そして、戦争はなくならないの? 平和は達成される? ウクライナをはじめ、世界の紛争の裏側は? 対立、紛争、戦争の「しくみ」、そして「平和」について。 小学生から大人まで、誰にでも必要な基礎知識。 ---------------------- 世界ではいつもどこかで、紛争や戦争が起こっている。 だから「争い」は人間にとってさけられないことだと思いがちだ。 でも、この本を読めば、人間は、平和についても不断の努力をつづけていることがわかるだろう。 どうして人と人、国と国同士で「争い」が生まれるのか? ──まずは〈構造〉をしっかりと見つめて、「争い」を乗り越える目を養おう。
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畑中章宏『死者の民主主義』※新本
¥2,310
SOLD OUT
人ならざるものたちの声を聴け 20世紀初めのほぼ同じ時期に、イギリス人作家チェスタトンと、当時はまだ官僚だった民俗学者の柳田国男は、ほぼ同じことを主張した。それが「死者の民主主義」である。 その意味するところは、世の中のあり方を決める選挙への投票権を生きている者だけが独占するべきではない、すなわち「死者にも選挙権を与えよ」ということである。 精霊や妖怪、小さな神々といったものは、単なる迷信にすぎないのだろうか。 それらを素朴に信じてきた人びとこそが、社会の担い手だったのではなかったか。 いま私たちは、近代化のなかで見過ごされてきたものに目を向け、伝統にもとづく古くて新しい民主主義を考えなければならない。 死者、妖怪、幽霊、動物、神、そしてAI……人は「見えない世界」とどのようにつながってきたのか。 古今の現象を民俗学の視点で読み解く論考集。
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鈴木貴宇『〈サラリーマン〉の文化史 あるいは「家族」と「安定」の近現代史』※新本
¥4,400
「ありふれた一般人」という集合体として語られがちなサラリーマン。 彼らが生きた各時代の文化表象には、どのような心情が反映されてきたのか。 写真、漫画、映画、文学作品という虚構の背後にそびえる社会状況をサラリーマンの視点から読み解く。
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大塚英志『「暮し」のファシズム 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』※新本
¥1,980
コロナとの戦いの銃後で鮮明に浮かび上がる日常の期限。
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平野啓一郎『死刑について』※新本
¥1,320
SOLD OUT
小説家である著者が死刑について問う一冊。
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加賀乙彦『死刑囚の有限と無期囚の無限』※新本
¥1,980
死刑囚と無期囚について、どのように考えているかを中心テーマにした一冊。
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ラシュミ・サーデシュパンデ『それでも世界はよくなっている』※新本
¥1,980
希望は簡単に捨てられない。 課題は、少し頑張って解説すれば良い。 出来ることは、まだまだある。
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ブルース・ブエノ・デ・メスキータ&アラスター・スミス『独裁者のためのハンドブック』※新本
¥2,200
カネとヒトを支配する権力構造を解き明かした、新視点の政治論。
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外山恒一『政治活動入門』※新本
¥2,090
政治活動とは、状況を 自らの「生きがたさ」を 多少なりとも減らす方向で 改変するために有効であるか、 有効であるかもしれないと 思われることを、 実行に移すことです。
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吉田徹『居場所なき革命 フランス1968年とドゴール主義』※新本
¥4,180
1968年。それは、世界中の学生と労働者が〈システム〉に胃を唱え、現代政治の諸問題を提起するという、戦後史の分岐点となった年であった。 戦後政治史の一画期を根底からとらえ直す、斬新な試み。
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縄田健吾『暴力と紛争の"集団心理"』※新本
¥2,970
いがみ合う世界への社会心理学からのアプローチ 集団暴力や集団間紛争はなぜ起きるのか? 暴力や紛争が誘発されるメカニズムを読み解く。
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エリック・A・ポズナー 他『RADICAL MARKET 脱・私有財産の世紀』※新本
¥3,520
資本主義と民主主義の未来を描く。 過激で根本的な改革の書。
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越川求『戦後日本における地域教育計画論の研究』※古本
¥4,950
矢口新の構想と実践
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初田哲男/大隅良典 他『「役に立たない」研究の未来』※新本
¥1,650
いつの時代も、研究者は未知に挑み、人類の発展に貢献してきた。 誰も解明していない謎を追う人。 社会課題の解決に努める人。 いつ、何の役に立つかがわからなくても、 未来へより多くのものを託そうとする人。 彼らの人生をかけた挑戦の積み重ねの先に、今の私たちの生活がある。 そして、その原点にはいつだって飽くなき知的好奇心があった。
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白井聡『主権者のいない国』※新本
¥1,870
「責任とは何か。それは誰かに与えてもらうものなのか。そして、ここで言う責任とは誰に対するものなのか。それは究極的には自分の人生・生活・生命に対する責任である」本文より
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『比較文学研究 第106号』※古本
¥980
SOLD OUT
特輯 「女」が語る [巻頭言]小金井喜美子ー明治の知的女性・・・大島眞木