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森まゆみ『聞き書き・関東大震災』※新本
¥2,200
〈 100年前の9月1日、町は大きく揺れた 〉 そこに暮らす人びとは、どのように生き延び、記憶したのか。 人びとの声と文学者などの日記から振り返る関東大震災。 --------- 〈 1923年に起きた関東大震災から100年 〉 著者が地域雑誌『谷根千』を始めたころ、町にはまだ震災を体験した人びとが多く残っていた。 それらの声とその界隈に住んでいた寺田寅彦、野上弥生子、宮本百合子、芥川龍之介、宇野浩二、宮武外骨らの日記など、膨大な資料を紐解き、関東大震災を振り返る。
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近藤雄生/岸本寛史『いたみを抱えた人の話を聞く』※新本
¥1,870
苦痛を抱える目の前の人とどう向き合うか 身体的、心理的にいたみを持つ人たちの語りを、どのように聞けばいいのか? 生きていくなかで出会う苦しみや死と、どう向き合えばいいのか? エビデンス重視の現代医療に警鐘を鳴らし、患者一人ひとりの物語に耳を傾けながら治療を行う緩和ケア医と、多くの吃音当事者に話を聞いてきたノンフィクション作家が、人のいたみ、そして自分自身のいたみを巡って言葉を交わした対話の記録。
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五十嵐大『聴こえない母に訊きにいく』※新本
¥1,870
母に、ずっと訊いてみたいことがあった。 ぼくの耳は聴こえるけれど、本当はどちらが良かった? 聴こえる子どもと聴こえない子ども、どちらを望んでいた? 「優生保護法」― 障害者が生まれることを防止し、 女性が産むことを管理しようとした悪法が存在した時代、 「母」はどのように生きたのか。 「ぼく」はどのようにして生まれたのか。 幸せだった瞬間も、悲しかった瞬間も、すべて。 コーダである息子が未来に進むために描く、小さな家族の歴史。
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スヴェン・リンドクヴィスト/ヘレンハルメ美穂 訳『「すべての野蛮人を根絶やしにせよ」『闇の奥』とヨーロッパの大量虐殺』※新本
¥2,860
SOLD OUT
コンラッドの『闇の奥』の登場人物クルツの「すべての野蛮人たちを絶滅せよ」ということばに取り憑かれた著者は、18世紀後半以降のヨーロッパの探検家、宣教師、政治家、歴史家たちがアフリカに残した負の遺産をたどる旅に出る。 そして、アフリカの光景が幼い頃見た強制収容所の写真のイメージと重なり合っていき、植民地での残虐な行為がホロコーストにつながっていったことを独特のスタイルで明らかにしていく。 スウェーデンの国民的作家の代表作、待望の邦訳。 #スヴェン・リンドクヴィスト #ヘレンハルメ美穂 #ホロコースト #虐殺
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大杉豊 編•解説『伊藤野枝の手紙』※新本
¥2,035
野枝の話し声が聞こえる 「新しい女」「恋愛の天才」「野狐さん」と散々に評される伊藤野枝。28年の生涯に、三度結婚し、七子をもうけ、雑誌を編み、みずからも論じ翻訳して全集四巻の文章をのこした。三十路の物憂さ、大杉家の長男の嫁としての気配りなど、全62通の手紙からは、いきいきした野枝の話し声が聞こえる。
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吉川ばんび『機能不全家庭で死にかけた私が生還するまで』※新本
¥1,650
機能不全家庭による貧困や虐待の連鎖を断ち切れ! 見えざる弱者・傷ついた者の回復の道とは? アルコール依存の父、過干渉の母、家庭内暴力の兄という機能不全家庭で育ち、「生きづらさ」からの解放をテーマに言論活動を続ける著者が実体験で語る、貧困・虐待家族のリアル。幼少期に受けた傷からどう回復するか。負の連鎖をどう断ち切るか。マインドフルネス、スキーマ療法など心理療法も経て、家族と絶縁するまでの道のりを描く、実録ノンフィクション。
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ヴィトルト・シャブウォフスキ/芝田文乃 訳『独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓』※新本
¥3,300
歴史の重要な瞬間に彼らは何を目にしたか? 20世紀の独裁者5人に仕えた料理人たちの悲喜こもごもの人生。2021年度〈グルマン世界料理本賞〉受賞作。 著者はあるとき、ユーゴスラヴィアの独裁者チトーの料理人についての映画を見て、歴史上の独裁者に仕えた料理人たちに興味を抱く。そしてついに本物の独裁者の料理人を探す旅に出る。 本書に登場する独裁者はサダム・フセイン(イラク)、イディ・アミン(ウガンダ)、エンヴェル・ホッジャ(アルバニア)、フィデル・カストロ(キューバ)、ポル・ポト(カンボジア)。彼らに仕えた料理人たちは、一歩間違えば死の危険に見舞われた独裁体制下を、料理の腕と己の才覚で生き延びた無名の苦労人ばかりである。著者はほぼ4年かけて4つの大陸をめぐり、たとえ料理人が見つかっても、説得してインタビューに応じてもらうまでが一苦労で、なかには匿名で取材に応じる人もいた。 インタビューを再構成する形で料理人たちの声が生き生きと語られ、彼らの紆余曲折の人生の背後に、それぞれの国の歴史や時代背景が浮かび上がる。各章にレシピ付き。
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上山明博『牧野富太郎ー花と恋して九〇年』※新本
¥2,420
すべてを植物にささげた男の実像 高知の裕福な家に生まれながら両親を早くに亡くした少年は小学校を中退し、植物に魅せられていった。 本草学から植物学へという時代の変化のなか、すべてをなげうち、植物へのはてしない情熱で、日本における植物学の発展に多大な貢献をすることになる。生活における困難、権威との確執、陰謀論の真相、もうひとりの天才との関係……。 さまざまな史料から、偉大な植物学者の足跡をあきらかにする。
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監修・上野圭一/編集・塩澤幸登『全記録 スワノセ第四世界 ー 日本のヒッピー・ムーヴメント』※新本
¥2,970
SOLD OUT
知られざる日本のヒッピー・ムーヴメント。東シナ海の孤島、諏訪之瀬に楽園を夢みた人々。『スワノセ・第四世界』はかれらの生活と思想と戦いを記録した唯一のドキュメンタリー映画だ。
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繁延あづさ『山と獣と肉と皮』※新本
¥1,760
「かわいそう」と「おいしそう」の境界線はどこにあるのか? 山に入るたび、死と再生のダイナミズムに言葉を失いつつも、殺された獣を丹念に料理して、一家で食べてきた日々—。 獣を殺す/料理する/食べる。 そこに生まれる問いの、なんと強靭にして、しなやかであることよ。 いのちをめぐる思索の書。 母として、写真家をして、冒険者として。 死、出産、肉と皮革を、穢れから解き放つために。—赤坂憲雄氏、推薦!
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ヘレン・S・ペリー/阿部大輝 訳『ヒッピーのはじまり』※新本
¥2,970
本当はヒッピーに憧れているすべての人へ はじまりの地で、はじまりの時からフラワー・チルドレンに混じり、観察を続けた女性人類学者による鮮烈な記録。
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ミュリエル・ジョリヴェ/鳥取絹子 訳『日本最後のシャーマンたち』※新本
¥2,420
東北、北海道、沖縄、そして東京――。 半世紀にわたって日本に暮らすベルギー生まれの日本学者が、さまざまな文化的背景を背負ったシャーマンたちを訪ね歩き、その肉声を多数採録した貴重なドキュメント。 不可思議な世界との交流をやわらかな筆致でつづったユニークな一冊!
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五十嵐大『隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録』※新本
¥1,760
みんなの言葉が、聞こえるのに聞き取れない。 ずっと、自分が悪いんだろうなと思っていた。 ある晩、著者のもとに一通のメッセージが届く。 「APDで悩む当事者たちのことを書いてくれませんか?」 聴力には異常がないにもかかわらず、うるさい場所や複数人が集まる場などでは相手の言葉が聞き取れなくなってしまう――。「APD/LiD」と呼ばれ近年注目を集める、この目に見えない困難について、自身もマイノリティ経験を持つ著者が当事者や支援者、研究者やメディア等へ丁寧な聴き取りを行い、「誰一人取り残さない社会」の実現に向けて社会に求められる変化を問う。渾身のノンフィクション。
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清水ちなみ『失くした「言葉」を取り戻すまで 脳梗塞で左脳の1/4が壊れた私』※新本
¥1,650
1987年に『週刊文春』で「おじさん改造講座」の連載をスタートさせて以来、高速タイピングで小気味よい文章を次々と生み出してきたコラムニストが「言葉」を失う。そんな悲劇的な状況でも「絶望してもしょうがない」と明るく受け止めて、家族や友人、医師、言語聴覚士、理学療法士らに支えられながら、日々を楽しみつつ前向きにリハビリを続け、再び長い文章が書けるようになるまで。 「いずれ本を書くときの資料になるはずだ」と、カセットテープに録音しておいた手術前後の家族との会話、夫の当時の日記、実際の脳のMRI画像、担当の医師や言語聴覚士、理学療法士に著者本人が取材して得た証言を織り込んで、失語症になった当事者自らがパソコンのキーボードを一文字一文字打って綴った渾身のノンフィクション。
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小野一光『完全ドキュメント 北九州監禁連続殺人事件』※新本
¥2,200
福岡県北九州市で7人が惨殺された凶悪事件が発覚したのは、2002年3月のことだった。逮捕されたのは、松永太と内縁の妻・緒方純子。2人が逮捕された2日後に現場入りを果たして以来、20年間にわたってこの〝最凶事件〟を追い続けてきた事件ノンフィクションの第一人者が徹底的に描く、「地獄の連鎖」全真相。 全576ページにおよぶ決定版。
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ラリー・ギャレット『悪人が癒されるときーアメリカ人催眠士のイラク体験記』※新本
¥1,980
悪人が癒されるとき アメリカ人催眠士のイラク体験記 横暴と残虐で知られるサダム・フセインの長男ウダイ。 その心の奥底に触れ、父親のような愛情を向けた療法家の体験談。
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西成彦『死者は生者のなかにーホロコーストの考古学』※新本
¥4,180
「私がトレブリンカにおいてはじめて耳に聞こえてきた詩のいくつかは私がなんのために詩を書くのかという問いに対するもっとも明快なメッセージだった。 アウシュヴィッツ後に詩を書くことが可能か可能でないか、そうするべきかべきでないかというアドルノたちの問いに対しての答えがここにある。私たちの探究はそのときから始まったのだ」(J・ロゼンバーグ) 「自身が〈ホロコースト経験者〉であろうとあるまいと、その時代を生きのびた〈サバイバー〉たちが〈生者〉の〈特権〉でもあり〈責務〉でもある〈考古学者〉として務めを果たそうとした痕跡」を追いかける試み。 ウィリアム・スタイロン、I・B・シンガー、エリ・ヴィーゼル、プリモ・レーヴィ、アンナ・ラングフュス、イェジー・アンジェイェフスキ、イェジー・コシンスキ、サミュエル・ベケット…。 ポーランド文学・イディッシュ文学のスペシャリストが満を持してとりくんだ待望のホロコースト文学論。
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雨宮処凛『相模原事件・裁判傍聴記 ―「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』※バーゲンブック※新本
¥820
「社会の役に立ちたいと思いました」 2016年7月、19人の障害者を殺した植松聖。 全16回の公判の果てに2020年3月、死刑が確定。 彼の目から見えていたこの「世界」とは? 定価:1540+税
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村井雅美『もの想うこころ―生きづらさと共感 四つの物語』※新本
¥2,420
「奥歯の小さな穴ひとつにこころが詰まっている」 病気になると私たちは、そのことでこころが一杯になってしまいます。 そんな“からだの傷み”に溢れてしまっ時、私たちは、その現実を受け入れて立ち向かおうとするこころを、どこに得ることができるでしょう? からだの傷みから沁み出る“こころの痛み”。 その苦悩をいっしょに理解しようとしてくれる人がどこかに居てくれると、奥歯の穴という「とてつもない不幸」が、なんとか抱えられる不幸になる。 そんな経験を私たちは皆、もっているのではないでしょうか? それでは、目の前に「こんがらがった苦しみ」にさいなまれている人が居るとき、 私たちには何ができるでしょう? 苦しみへの寄り添い方として、巷ではいろいろなアプローチが紹介されていますが、 この本では、新しい《共感》の可能性を、読者とともに捜します。 “記憶のはるか彼方にある情景”が浮かびあがり、その情景が二人のあいだで共有されるとき、《生きづらさ》を生きる力が得られる。 ―そうしたテーマをめぐって紡がれた 『からだの病いとこころの痛み』〔木立の文庫, 2019年〕のエッセンスを、「四人」とのあいだの“内なるドキュメンタリー”として物語るのが、この本です。
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矢野利裕『学校するからだ』※新本
¥1,980
ブラックでも青春でもない! からだとことばが躍動する異色の〈学校×身体〉ノンフィクション 「shhh…」と小声を発して返事をそろえるサッカー部員、広島出身ではないのに広島弁を操るヤクザ的風貌の生活指導。旧エヴァを愛し、シン・エヴァに失望した生徒との対話、破格の走りで男子をごぼう抜きにした女子生徒、そして肝心なところで嚙んでしまう著者自身──。現役教員の著者が、学校のなかの〈からだ〉と〈ことば〉が躍動するマジカルな瞬間を拾い集めた、異色の〈学校×身体〉ノンフィクション。
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岡内大三『香川にモスクができるまで』※新本
¥1,980
SOLD OUT
ロードサイドにモスク建立?! 地方都市で暮らす在日ムスリムたちを追った、笑いと団結、そして祈りのルポタージュ 日本で暮らす移民は増え続けている。香川県には、2022年時点で約800人のインドネシア系ムスリムからなるコミュニティーが存在するが、信仰のための施設《モスク》はまだない。 信仰にとってモスクとはどのような存在なのか? そもそもイスラム教とはどのようなものなのか? モスク建立に奔走する長渕剛好きのインドネシア人フィカルさんとの出会いから、著者は祖国を離れ地方都市で暮らす彼らのコミュニティーに深く関わるようになっていく──。
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苅谷夏子『タカシ 大丈夫な猫』※新本
¥1,650
夕ぐれの道を駆けていった猫は、左側の足二本しかなかった。堂々とした姿に惹きつけられたわたしは、飼い主のケイコさんに会いに行き、タカシを知る。生後3か月での交通事故、大手術。 そして、立つ、走る、木登りに、恋も狩りも! 二本足の猫と見守る人びとを追う、勇気と愛情のノンフィクション。 イラスト・小泉さよ
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丸山里美『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』※新本
¥2,970
SOLD OUT
ほとんど研究されることがなかった女性ホームレスについて、その存在様態と生活世界をとらえる。 女性ホームレスたちの日常的な実践に焦点化することを通じて、男性を中心にしてとらえられてきた人間の主体性について、どのような別様の理解可能性が見いだされるのかを見当する。 岸政彦氏による「解説」を収録した増補新装版。
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パブロ・トリンチャ/栗原俊秀 訳『バッサ・モデネーゼの悪魔たち』※新本
¥3,080
「この本に書かれている事柄に、筆者はいかなる脚色も加えていない」――現代イタリアの司法史上、最も不可解とされたカルト犯罪の真実を暴くノンフィクション。 1997年から翌年にかけて、性的虐待、墓地での悪魔的儀式といった一連の事件が発生する。捜査の結果、ある少年の証言を契機に何人もの親たちが加害者として告発され、家庭が崩壊してゆく……。 しかし、なぜこの事件の「事実」を語るのが子どもたちばかりなのか? 20年を経て著者が追及して初めて明らかになった、心理学の空隙を突く悲劇的な真相とは……!? *2020年、イタリアの優れたジャーナリズムに与えられるエステンセ賞を受賞。 *2021年、イタリアAmazonでは本書を原作としたドキュメンタリーを制作し、大きな反響を呼んだ(日本未公開)。